サモンナイト/サモンナイト2 光の在処 Posted on 2006年1月8日 by 龍崎 果南 タ ス ケ テ 声が聞こえ、ハッとなりマグナは顔を上げた。 今までぼうっとしていたらしい、自分が立っている場所が何処であるかを認識するのに数秒掛かった。だが、その数秒が終わっても彼はそこが何処なのかを理解...
サモンナイト/サモンナイト2 日溜まりに君が居る Posted on 2006年1月8日 by 龍崎 果南 空は、晴れていた。 見渡す限り、雲ひとつない。寝ころんだままぼんやりと、澄み渡る青空だけを見つめていると不意に欠伸がこみ上げてくる。 我慢することなく、マグナは大きな欠伸をこぼした。 「ふぁ~あぁ……」 ねむ、と...
サモンナイト/サモンナイト2 甘い休日 Posted on 2006年1月7日 by 龍崎 果南 「これあげる!」 そう言って両手いっぱいに抱えていたものをマグナに押しつけて、褐色の肌をした少女……と呼ぶには少々年齢がアレであるが、ずっと人里離れた場所でひとり暮らしていた分幼さが充分に残っているルウは勢いよく駆け出...
サモンナイト/サモンナイト2 優しい嘘 Posted on 2006年1月7日 by 龍崎 果南 いつか、必ず。 約束は、けれど最悪の結果で果たされてしまって。 苦々しい気持ちを抱えたまま、重い足取りでただ前だけを目指して歩いていく。その視界に収まるものは、己が踏み出す足とそれが踏みしめている大地ばかりだ。 ...
サモンナイト/サモンナイト2 闇空の向こうへ Posted on 2006年1月6日 by 龍崎 果南 ファナンにあるモーリンの道場は、敷地が広い所為で見回す限りそこよりも背の高い建物がない。だから高い位置に行けば見晴らしは相当宜しい。 気に入ってしまったかもしれない、とマグナは夜の月見を道場の屋根で実行しながら思った...
サモンナイト/サモンナイト2 自分であるために Posted on 2006年1月5日 by 龍崎 果南 なに、を。 期待していたのだろうか。 己の手の平をただじっと見つめ、彼は考える。 この手が汚したのではない、だが消すことの出来ない罪深き血の購いを求めていたのだと言うのならば、それは愚の骨頂でしかない。されど自分...
サモンナイト/サモンナイト2 黄昏のぬくもり Posted on 2006年1月4日 by 龍崎 果南 天気は憎らしいほど、良かった。 これは絶好の昼寝日和だなぁ、と頭上の空を仰ぎながらマグナは足許の小石を蹴り飛ばす。トントンと跳ねた石は、整地された舗道上を数回跳ねて、また風景の一部に紛れ込み見えなくなってしまった。 ...
サモンナイト/サモンナイト2 風のコトバ Posted on 2006年1月3日 by 龍崎 果南 その子を初めて見たのは、夕暮れ間近の庭園だった。 勉強が一区切りついた僕が庭に出ると、ちょうど門から馬車が入ってくるところだった。正面玄関の前に横付けされた馬車から、半ば強引に引っ張り出された少年の横顔が一瞬だけ見え...
サモンナイト/サモンナイト2 花火の夜 Posted on 2006年1月2日 by 龍崎 果南 色々なことがあった。 色々なことが在りすぎて、頭の中が整理し切れていない面も大きい。 けれど分かることは、これだけは言えるって胸を張れる事はある。 俺は自分が決めた道を今ようやく歩き出せたこと、守りたいものを見つ...