それは陽炎にも似て

サモンナイト1より、ハヤトとキール。2008年5月から7月の拍手お礼小説でした。 ん年ぶりに書いた彼らは、思っていた以上に難敵でした。 当時はこんな話、考えもしなかったなあとか色々思いつつ。 もっとシリアスで、暗い話だったんですが、あまりにもあんまりだったので、修正して大幅に削った上で書き直しました。 それでも、なん...

秘め事

 月明かりだけの薄暗い屋根裏部屋で、彼は足の取れた椅子に凭れ掛かった状態で座っていた。  何処を見ているのかも解らない視線は夜の星が輝く窓の外に向けられている。けれどきっと、彼は星なんか見ていない。  声を掛けるべきか、...

悪戯な月

 その日、一日中リプレの手伝いで買い物に走り回っていたトウヤはくたくたに疲れていた。 「死にそう……」  夕食を終えて自室に戻った途端、ベッドに倒れ込みトウヤはため息をこぼす。うつぶせの状態だったので声はくぐもっているが...