雨宿り

 昼間はものすごくいい天気だったのに。 「うっわー……土砂降り」  サスケが真っ黒の空を見上げて思わず呟く。 「そんなこと、今更確認しなくても見ればすぐに解るだろう」  彼のすぐ横に立っているルックが、暑苦しいから側に寄...

刹那、捕獲計画

 その日は国境に接近しつつあるハイランド軍をどうやって駆逐するか、についての軍議が行われていた。  出席者はラストエデン軍リーダーのセレンは勿論のこと、軍師三人集も無論参加していたし、実際に戦闘に発展したときに兵を率いて...

花見日和 刹那日和

 日溜まりがとても心地よい。  風も、柔らかくなったような気がする。そう言ったら、真なる風の紋章を持つルックが「そうかい?」といつものように冷たい視線を送ってくれたが。  でも、確かに風が暖かく優しくなったのだ。  その...

刹那の輝き

 その日は、みんなでラダトまで買い物に来ていた。  みんな、というのは――まあ、例の如くいつものメンバーなんだけど。一応紹介するなら、ルック、サスケ、フッチ、それからキニスンで、最後にボクこと、セレンの合計五人。今日は買...

刹那な日常

 レイクウィンドゥ城は、古い。  とにかく、古い。あちこちは叩けば崩れるし、壊れる。最初の頃よりはだいぶ改善されてあまり目立たなくはなっているものの、人目に触れにくい場所は後回しにされてそのまま、なんて事が未だにある。 ...

刹那のカケラ

 生きるって、何? 「えー? 食って、寝て、遊ぶことだろ?」 「よくは分かりませんけれど、呼吸して動いている事じゃないんでしょうか」 「今、ここにいること」 「生きている自分を感じることです、僕の場合では」  死ぬって、...

僕らの刹那

 今は一瞬。  でも、永遠。  深夜のレイクウィンドゥ城はひどく静かだ。  見張りの兵はそこかしこに立っているが、皆侵入者などありはしないと安心しきっているのか、中には立ちながら船を漕ぐ、という器用な事をやってのける兵士...

刹那の永遠

 作戦会議は嫌い。  みんな、ぴりぴりしている。空気が重くて息苦しい。  ボク、なんでここにいるんだろう?  よーし、今日はさぼっちゃおうっかな。  日々の修練が嫌い。  やらなくちゃいけな事だとは分かっているけれど。 ...

笑顔の行方

 マイクロトフ。マチルダ騎士団の元青騎士団長。生真面目な性格の持ち主で、多少頭でっかちな融通の利かない所もあるが心根は優しくしっかりしており、誇りを持って行動する男である。  ただちょっと、表情の起伏に乏しいかもしれない...