夕凪の声

 ぱしん、という乾いた音は思った以上に大きく響いた。  いや、きっとその場に居る誰しもが――殴った本人と殴られた当人でさえ――そんな結末になるとは一瞬前でさえ予想していなかったに違いない。  それくらいに、唐突だった。 ...

風の唄、君の声

 牛猿。尊敬と恋愛感情との間は結構微妙だったりします、突っ走るのも思いとどまるのも貴方次第!(は?)  牛猿だと、猿がどこまで行っても照れ屋でキャプに雰囲気飲まれて流されちゃうのです。大人の余裕かよキャプ! キャプの前だと、猿野もかなり大人しい子になっちゃいますねぇ…

秘密の朝

 コンコン、と。  二度の遠慮がちなノックのあと、もう一度立て続けに三度扉を拳で軽く叩いて反応を待つ。  だが、予測通り中から応対の声は聞こえてこない。 「…………」  渋い顔を更に剣呑なものに変え、彼はフレームの細い眼...

Eyes/4

 朝の雑踏は、大勢の人が一箇所に集まっているくせに声がなくて辺に騒々しいのに静かだった。  込み合った車内から出ると、通り過ぎていく風は涼しい。下り線の到着を告げるアナウンスが聞こえ、そちらに意識が向いているうちに階段へ...

非恋愛的恋愛症候群3

 子猿。前夜にチャットで親友と3時間くらい語り合ってました、子猿。色々と嫌な事もあったんだけど、そういうのを全部忘れても良いくらいに盛り上がったのですよ。そのまま熱を維持した状態で書いたら、異様なまでに猿が子津君贔屓になっちゃって、いっそこのシリーズ子猿で終わらせても良いかも!とか危うく思っちゃうところでした。いや、私...