存在理由の隣側

 子津君お誕生日オメデトウ! じゃないんですけどね…本当は。完璧に忘れ去ろうとしていました、ゴメンよネヅッチュー……あうあう。  牛猿と鹿猿と子猿、どれが読みたい?と聞いて「片思いでも子猿が読みたい」と言われたので書いて、直後にサイトの鯖が落ちてそれどころではなくなり、更新が遅れてしまってギリギリ子津君の誕生日に間に合...

キミノトナリ

 実はキリ番設定していた10万と、そのマイナス1の両方に申告者が出てこなかったのですよ。なので3周年企画でこっそり付け足した、申告者無しの場合のリク権譲渡に応募されたBUNさんへ、これは進呈。  リク内容が「猿を好きで仕方がない犬」の犬猿って事で。こんなんで良いのかなぁ……と思いつつ、他に書いた記憶に乏しいくらいに、ベ...

空の青

 カツン、と歩く度に硬質の音が石造りの廊下に反響して消えていく。  薄暗い廊下を数分歩き続けると、唐突に規則正しく組まれた石壁が途絶えて眩しい太陽光が彼を出迎えてくれた。  片手をのろのろと持ち上げ、額に翳すことで直射日...

狭間の生命

 朧々とした月の映える空の下で、僕らは、いつもと同じように、けれど今までとは確実にまるで違ってしまった空気を感じながら、屋根の上に座っていた。  お互い、ことばのひとつも発さぬまま、こうやってじっとしているだけの時間が果...

ナツコイ

 サイト3周年企画でのミスフル応募対象小説でした。一応投票で2位に入ったんですよね、馬猿…てっきり犬猿が上に来ると思いきや。でも私は、馬猿と牛猿が上位で犬猿は……三番目かそれより下?という人なので却って良かったかもしれないです。  実際に甲子園のテレビ放送を見ながら打ち込んでいました。色々とバージョンを考えてみたんです...

Reconcile

 カチャカチャと響く金属音以外に、今この空間に音はなかった。 「…………」 「…………」  同じようなむっつりとした顔をし、食器を動かしているのがふたり。その間に挟まれるような形でおろおろと、両方の顔を交互に見ながら食事...