今年は異常気象なのだと、ランボが言った。
テレビで覚えて来たばかりなのか、得意げに胸を張って教えられた。偉そうに鼻息を荒くしている表情からは、凄いな、と褒めて貰いたくて仕方がない様子が窺えた。
「へえ、そうなんだ」
「そうなんだぞ、ツナ。だから、だから、えーっと。えーっと……」
「急に寒くなったから、ちゃんと学校でも、暖かくしてるのよ」
「はーい」
感心してやらないと、学校に行かせてくれそうにない。生意気で我が儘放題な五歳児に苦笑して適当に相槌を打てば、言葉に詰まった彼の後を奈々がナイスタイミングで補った。
台所から出て来た彼女の手には、愛用の弁当箱が。大事な今日の昼食を水筒と共に受け取って、綱吉は調子よく返事した。
言われなくても、今年の天候が可笑しいのも、昨日に比べて気温が急激に下がった事も、とっくに承知していた。
夏場は異様に暑く、九月に入ってもそれは変わらなかった。十月になっても秋らしさはまるで感じられなくて、このまま冬になるのでは、と思われていたのだけれど。
先日の台風で、夏の余韻はすっかり拭い取られてしまったようだ。たった数日で随分な変わりようで、衣替えも間に合わなかった。
昼夜の寒暖差は一気に広がり、寝床で被る布団も分厚くなった。一時は着るのを拒んでいたベージュ色のブレザーも、今日ばかりは無いと非情に心許ない。
「ベスト、探しといてね」
「分かってるわ。気をつけてね」
「行って来ます」
あと数ヶ月で今年が終わる。冬を越すのに不可欠な紺色のベストが行方不明なのを気にしながら、綱吉は弁当を鞄に詰めて立ち上がった。
靴は既に履き終えている。軽く爪先を叩いて具合を確かめてから、彼は母とランボに見送られて玄関を出た。
扉を押し開け、外へ。一瞬ひやっとしたものを感じて身構えるが、風を感じたのは最初だけだった。
日差しは弱く、足下に伸びる影は薄かった。
「さーて、行くかあ」
弁当が加わって重くなった鞄を肩に担ぎ、気合いを入れて叫ぶ。幸いにも通りに人はおらず、彼の行動を笑う者はいなかった。
自分でも恥ずかしく思う行動をして舌を出し、綱吉は門扉を押し開けた。
ほんの一年ちょっと前まで、学校に通うのはただ億劫でしかなかった。今でもこうしないと、怠け癖が首を擡げて、今すぐ家に取って返したくなる。だからあれは神聖な儀式なのだと己に言い聞かせ、アスファルトで舗装された道に爪先を置く。
遅ればせながらやって来た秋の気配は、着実に風景に変化をもたらしていた。
青々と茂っていた木々はいつの間にか赤や黄に色づき、道端で猛威をふるっていた雑草もすっかり勢いを失っていた。栄養をたっぷり蓄えた果実はたわわに実り、手を伸ばせば怒鳴られる場所で誇らしげに胸を張っていた。
そのうち鳥に食われてしまいそうな柿を見上げ、綱吉は増え始めた人の波に身を任せた。
学校までは、歩いて十分ほど。余裕を持って家を出たので、チャイムが鳴る前に楽々教室に辿り着けそうだった。
「えーっと、今日は確か」
教科書やノートで満載の鞄は、お陰で肩にずっしり来た。家を出る間際に整えた時間割に間違い無いかを確かめて、綱吉は指折り数えながら記憶を手繰り寄せた。
体育は無い筈だ。苦手な数学は、四時間目に予定されている。英語はそろそろ小テストの危険性が高い。期末試験までの残り日数を思うと、一気に憂鬱になった。
せめて一教科くらい、六十点以上取ってみたいものだ。
そこで百点満点を狙えないところが、綱吉の哀しいところだ。いつも赤点ギリギリか、それ以下の点数しか取った事がない。一応真面目に試験勉強をしているのに、結果に反映された事は一度も無かった。
毎回学年五位以内の秀才である獄寺に教えて貰うのだが、なにせ彼は、教え方が下手だ。とても教師にはなれそうにない。もっとも彼は綱吉の右腕になると公言しているので、将来教壇に立つ事はなさそうだ。
とはいえ、綱吉自身、マフィアのボスになる気はさらさらないのだが。
獄寺は大切な友人だけれど、それとこれとは話が別だ。彼を部下にしたいとは思わないし、誰かと争わせたいとも思わなかった。
みんなで仲良く、手を取り合って。
それがどれだけ実現困難な机上の空論なのかは、痛いくらいに身に沁みている。けれど最初から諦めていたら何も始まらないし、終わらせる事も出来ないのだ。
ふと遠くへ意識を飛ばして、頭上高くに漂う雲の群れを何気なく見やる。あれは徒党を組んでいても怒られないのだな、とそんなどうでも良い事を考えて、綱吉はクスッと笑った。
「おはようございます、十代目」
「ああ、おはよう。獄寺君」
そこへ遠くから声が響いて、彼は瞬時に表情を引き締めた。
振り向けば、獄寺が走ってくるところだった。
姿が見えたので、急いで追いかけて来たらしい。合流した彼は息を切らし、ぜいぜいと肩で息をしていた。額にはうっすら汗が浮かび、この季節なのに暑そうだった。
「急がなくてもいいのに」
「いえ。十代目をお待たせするわけにはいきませんので」
「ああ、そう……」
こめかみを拭って銀髪を掻き上げた彼に、綱吉は肩を竦めた。
しかし苦言は聞き届けられず、ばっさり切り落とされてしまった。どうして耳を貸してくれないのかと嘆息して、彼は鞄の中から小さめのタオルを取りだした。
「はい。使っていいよ」
風が弱いけれど、空気は冷たい。これから少しずつ気温は上昇していくけれど、それまで獄寺の汗は待ってくれない。
このままでは体温を奪われて、身体を冷やしてしまう。心配して奈々が持たせたタオルを差し出した綱吉に、彼は大仰に目を丸くした。
「い、いえ。そんな。どうぞお気遣い無く」
「ダメだよ、獄寺君。大体、君はひとり暮らしなんだから、ちゃんと体調管理しておかないと」
たかが汗ひとつで、と大袈裟かもしれないが、ちょっとの油断が命取りになる事だってある。特に今は季節の変わり目なので、体調を崩す人も多かった。
綱吉には奈々がいるので、その辺はあまり気を遣わなくて済んでいる。けれど獄寺は違う。そう言えば、彼は納得したのか恐る恐る手を伸ばして来た。
表情はまだ不満げながら、文句は口にしなかった。
借り物のタオルで渋々汗を拭う彼に苦笑して、綱吉は歩みを再開させた。
「洗って返しますね」
「別に良いよ、気にしなくて」
「そういう訳にはいきません」
律儀に言われて、首を振るが押しきられた。
彼のことだから、洗濯した上でアイロンまで当ててきそうだ。木綿のタオルだからそれは無いと信じたいけれど、綱吉が絡むとあらゆる事を大袈裟に取る彼だから、なにかやらかしてくれそうだった。
焦がさなければ、もうなんだって良い。真ん中に五角形の穴が空いたタオルを想像して笑みを零し、綱吉は硬い大地を踏みしめた。
余計な時間を使ってしまったが、チャイムが鳴るまでまだかなり余裕があった。
「しっかし、急に寒くなりましたね」
「そうだね~」
息切れも治まったらしく、獄寺が話しかけて来る。玄関先で奈々にも言われた話題に首肯して、綱吉は秋晴れの空を仰いだ。
その件に関しては、異論ない。吐く息が白く濁るのはまだ先だが、そうなるまで間が無いのははっきりしていた。
今年は雪が降るだろうか。降るとしたら、どれくらいか。雪だるまを作り、ソリ遊びが出来る程度には欲しいけれど、大量過ぎて交通網が乱れたり、真剣勝負の雪合戦に駆り出されたりするのは御免被りたかった。
出来ればあまり寒くなって欲しくないものの、それだと風情がない。今から真冬の日々を案じていたら、身体が反応したのかぶるっと震えが来た。
思わず自分自身を抱きしめて、綱吉は見え始めた校舎に相好を崩した。
「寒いですか?」
「ううん、平気」
腕をさすっていたのがバレて、すかさず獄寺が問うて来た。それに首を振って応じ、彼は路上の枯れ葉を蹴り飛ばした。
カサカサしたものが爪先をすり抜け、路肩へ逃げていく。行方を目で追いもせず、綱吉は少しだけ速度を上げた。
学校に近付くにつれて、同じ制服の生徒が増えていった。笑顔の者、憂鬱そうな者、眠そうに欠伸をしている者も居れば、持ち込み禁止の携帯電話を弄っている生徒もいた。
風紀委員に見つかれば即座に没収されるのに、勇気があるものだ。
「そういや、今日ってあるのかな」
「十代目?」
「んー、なんでもない」
真横を歩かれると、独白も全て拾われてしまう。流石に逐一相手をするのも面倒臭くて、綱吉は適当に誤魔化して愛想笑いを浮かべた。
表面的な笑顔に、獄寺は一瞬ぽかんとなった。緩慢に頷いて、そうですか、と小声で呟き離れて行く。
冷たい態度を取ってしまった。落ち込んでいる彼に心の中で詫びて、綱吉は小さく見える正門に目を凝らした。
彼らが通う並盛中学校には、他の学校と違って少々特殊な部分があった。その最たるものが、風紀委員会。とある生徒をトップに据えた巨大組織で、その権限は学内の教員や校長さえも軽く凌駕していた。
噛み砕いて言うと、実質、学校の支配者だ。応接室を私的に独占し、学校指定とは違う制服を身に纏っている。暴力行為も黙認されており、誰も彼らに文句を言えない。
その風紀委員を率いている男の名は、雲雀恭弥。人を射殺せそうな鋭い眼差しの、黒髪の美丈夫だ。
姿を思い出すだけでぶるりと震えが来て、綱吉はブレザーの上から腕を撫でた。摩擦で掌を温めて、迫り来る正門を窺って目を細める。
同じ色の上着を着た男子生徒が、何事もなく校舎へ入っていった。おしゃべりに夢中な女子も、話を中断させる事なく塀の向こうへ消えていった。
どうやら今日は、風紀委員の服装チェックはないらしい。それに一先ず安堵して、綱吉は緊張気味だった頬を緩めた。
「今日はいないみたいですね」
「ああ、うん。そうだね」
と同時に少しだけがっかりしていたら、同じ事を考えていたらしい、獄寺が小声で耳打ちしてきた。
同意して、綱吉は首を縦に振った。瞳だけを動かして隣を窺って、満面の笑みを浮かべている嵐の守護者に苦笑する。
並盛中学校の風紀委員は、兎に角規則に厳しかった。
自分たちは規定外の制服を着用しているくせに、他の生徒には校則を守るよう言って憚らない。はっきり言って説得力皆無なのだが、暴力をふるわれるのを恐れ、誰も文句を言わなかった。
たまに獄寺のような生徒が無謀にも楯突いているが、その後どうなるかは、言わずもがな。雲雀とやり合って無事でいられる人間は、そう多く無かった。
その決して多く無い人種の過半数が、綱吉の近辺に集中していた。獄寺もそうだし、野球部の山本、それにボクシング部の笹川了平もだ。
「今日も平和だといいなあ」
なにかとトラブルを引き起こす友人、知人を順に並べて、彼はしみじみと呟いた。
最強のヒットマンこと、家庭教師のリボーンがやって来てから、綱吉の人生は大きく変わった。平凡な一生を遂げるとばかり思われていたものが、まさかのマフィアのボス候補に仕立て上げられて、否応無しに争乱に巻き込まれた。
喧嘩は嫌いなのに、見過ごせば自分だけでなく、大切な人たちまで傷ついて涙を流す事になる。それだけは許せなくて、綱吉は戦う道を選んだ。
とは言っても、進んで人を殴りたいとは思わない。そういうことは、そういうのが得意な人種に任せるべきだ。
そう。例えば、この学校の風紀委員長のような。
「あれ」
再び同じ人物を思い浮かべ、正門を潜る。あと少しで下駄箱のある昇降口に辿り着く、というところで、綱吉は校舎の影に潜むなにかに気がついた。
思わず足が止まった。獄寺が三歩進んだところで気がついて、庇の下で首を傾げた。
「十代目?」
「ごめん。先行ってて」
怪訝にしている彼に断り、追求される前に駆け出す。まるで逃げるように昇降口から離れた綱吉に、獄寺は面白くなさそうに口を尖らせた。
嵐の守護者に不満そうに見送られて、綱吉は駆け足で校舎の角を曲がった。
砂埃を巻き上げて、学校をぐるりと取り囲む塀沿いに進む。肩に担いだ鞄が、足を進める度に大きく跳ねた。
中の弁当箱が無事かどうか、不安が頭を過ぎった。だが食べてしまえば結局同じと割り切って、一度は見失いかけた背中に懸命に呼びかける。
「ヒバリさん!」
果たして声が届いたのか、雲雀恭弥はおもむろに足を止めた。
肌寒さを覚えるこの季節にも拘わらず、彼は学生服を身に着けていなかった。
着ているものといえば長袖の白いシャツに、黒色のスラックスのみ。ネクタイは結ばず、第一ボタンは外されていた。
薄い襟の間から、ちらりと鎖骨が覗いていた。それ自体はなんら珍しくもない事なのに、彼がやると妙に艶めかしかった。
お陰で目のやり場に困る。残る距離を一気に詰めて、綱吉は肩で息をしながら唾を飲み込んだ。
「……おはよう」
「おはようございます」
呼吸を整えていたら、向こうから話しかけてきた。反射的に返事をして、綱吉はおや、と目を丸くした。
雲雀から挨拶など、滅多にあることではない。奇異な現場に遭遇したと胸を弾ませ、彼は不思議そうに眉を顰めた。
表情の変化を読み取り、雲雀が不愉快げに顔を顰めた。それで慌てて笑顔を作り、綱吉は変なところで会った彼を改めて見詰めた。
いつも羽織っている学ランは見当たらなかった。緋色の腕章もそちらに装着しているのだろう、今の彼の袖は空っぽだった。
うっかり忘れて出て来てしまったと、そんなところだろうか。
いつ家に帰っているかも分からない、応接室を城としている彼だから、そんな日もあるのかもしれない。想像を巡らせて顔を綻ばせていたら、益々むっとした雲雀が不機嫌そうに呟いた。
「君、あったかそうだよね」
「はい?」
いきなり言われて、綱吉は面食らった。
予想だにしていなかった言葉に吃驚して、つい声が裏返った。頭の天辺から音を発した彼に口を尖らせ、雲雀は予告もなく手を伸ばした。
むにっ、と左の頬を抓まれた。軽く捻って引っ張られて、前触れの無かった行動に綱吉は目を白黒させた。
「ひゃ、ひゃにほ?」
何をするのか、と言いたかったのだが、口を閉じきれない所為で上手く喋れない。だが意味合いは通じたようで、雲雀は一旦手を放すと赤くなった場所に掌を押し当てた。
頬を包み込まれ、冷えた指先に思わず足が竦んだ。
「ひっ」
一瞬で奪われた体温に総毛立ち、亀のように首を引っ込める。寒がって身を縮めた彼を見詰め、雲雀は鷹揚に頷いた。
「うん。やっぱり君、あったかいね」
「あの、……言っている意味が、よく」
人の体温を横取りして、男が満足げに囁く。その発言の趣旨が未だ理解出来なくて、綱吉は戸惑いながら斜め上を窺った。
機嫌はすっかり直ったようだ。心持ち笑みを浮かべた口元を確かめて、彼は自分の格好と、雲雀の格好とを素早く比較した。
綱吉は並盛中学校指定の制服を着用し、ベージュのブレザーの下には長袖のシャツを着込んでいた。更にその下には、薄手ながら保温効果抜群と歌われる半袖シャツをこっそり身に着けていた。
対する雲雀はといえば、明らかに寒いと分かる格好だった。
シャツは長袖とはいえ布は薄く、その下に何か着用している気配もない。襟元を広げているので、風通しもさぞ良い事だろう。
つまるところ、この季節に見合った服装ではない。学生服があれば多少は違うかもしれないけれど、もうじき十一月というこの時期にその格好で居ては、風邪を引きたいのかと言わざるを得なかった。
正直な感想を心の中で呟いて、綱吉はしつこく人の頬を擽る手に肩を竦めた。
「面白いですか?」
「うん。よく伸びる」
「いひゃいれす」
今度は両手を使い、パンを捏ねるように揉まれた。最後に抓んで左右に引っ張られて、抗議の声を上げれば即座に解放された。
ほんのり腫れて膨らんだ場所を撫で、綱吉は深々と溜息を零した。
「今日は寒いですね」
「そうだね」
「急に冷え込みましたもんね」
「うん」
なんとなくではあるが、雲雀の行動の理由が分かった気がした。カマを掛けるつもりで言えば間髪入れずに肯定されて、疑念は瞬く間に確信に変わった。
なんともはや、まどろっこしい事この上ない。回りくどすぎて却って分かり辛いと肩を落とし、綱吉は何かを期待している雲雀を仰ぎ見た。
どうして直接、言葉にして言えないのだろう。お陰で朝から無駄に頭を使ってしまった。今日の小テストで零点を取りでもしたら、どう責任を取ってくれるのか。
もっともそれを言えば、マフィアのボスになるのだから点数など構わないだろう、と言われてしまうのだが。
「並中の平均点が下がっても良いのかなあ」
「ん?」
「なんでもありません」
聞こえないよう小声で呟くが、何かを口にしたのは伝わったらしい。不思議そうにされて、綱吉は急ぎ首を振った。
語気も荒げて否定して、背筋をぴんと伸ばす。弾みでブレザーの裾が揺れて、ドレスのように広がった。
ふわりと空気を受けて膨らんだ布は、瞬く間に真っ直ぐ平らに戻った。風を跳ね返す厚めの布は頑丈で、これからの季節、寒さを凌ぐには最適だった。
薄着の雲雀が羨ましがるのも、当然と言えば当然だ。
面倒臭い恋人に溜息を追加して、綱吉は担いできた鞄を肩から下ろした。足下に真っ直ぐ沈め、両手を一旦空にする。
そして雲雀が無言で見守る中、両手を左右に広げ、
「寒いから、ですからね」
それ以外に理由はなく、それだけが目的であると言い訳をして。
雲雀が望んだ通りに、彼に抱きつく。
爪先立ちになって背伸びをして、腰に回した手は背中で交差させる。きゅっと指を絡めて握り締めれば、遅ればせながら雲雀の腕が伸ばされた。
絡みつく体温は程よく暖かくて、春先の木漏れ日に少し似ていた。
「本当に、寒くなったね」
「そうですね」
そっと綱吉を抱きしめ返し、雲雀が耳元で囁いた。すかさず同意して、綱吉は世話の掛かる男に甘えて微笑んだ。
2013/10/23 脱稿