白線の夢

 真っ白な地図を広げて
 その先にある色鮮やかな世界を見た瞬間
 僕は決めた
 この世界を
 端から端まで
 歩き倒してみせる、と

「はぁ……」
 既に今日何度目か知れない溜息をつき、テンプルトンはようやく使い勝手も慣れてきた机に頬杖をつく。
 与えられた仕事場は広く、窓も大きくて快適な生活を送ることが出来る。集めた資料は膨大でこれからもどんどん増えていくことだろう。それこそ、今はまだ隙間があちこちに見られる壁の棚からはみ出して床の上に積み上げられるくらいに。
 それほどに、地図を作るという行為は一大行事であるのだ。
 その苦労は計り知れない、精巧に作ろうとすればするほど、必要とされる資料の数は鰻登りだからだ。
 それらを比較し、計測し直し、書き記して行く。単純作業に思われがちだが、この苦労の手間を省くと地図はどんどん不正確で信用なら無いものになって行ってしまう。一瞬でも気の抜けない作業なのだ。
 しかし、だ。
 彼が懸命に足で稼いだ資料を基に作り上げた地図が、たった一晩で無用な産物になってしまうことがある。地図に書かれた町や村、道が消えてしまったりしたときである。
「まただよ……」
 ベレー帽を被った頭を抱え、ついさっき報告されたばかりのハイランド、白狼軍の暴虐な行いを想像し、彼は溜息どころか泣きそうな気持ちを必死に抑え込んでいた。
「こんにちはー」
 彼の目の前にはようやく完成しようとしていた地図が広げられている。しかし、今日明日中には完成を見込んでいたそれは、数日後に延長せねばならない、ここの記されている村がひとつ、昨日の夜に消えてしまったから。
「こんにちはー、テンプルトンー?」
 痛む頭を押さえたまま、今までの苦労を水の泡にしてくれた狂皇子ルカを思い浮かべ、その残忍な笑みに碇を震わせたテンプルトンは、何度も入り口で繰り返される呼び声にさっぱり気づいていない。ノック音はだんだん大きくなり、痺れを切らしたらしい呼び声の主は、部屋の所有者の許可も貰わずドアノブを回した。
「テンプルトン、いないの?」
 がちゃり、という音がやけに大きく響き、はっとなって顔を上げたテンプルトンは真正面にある扉から入ってきた人物とまともに視線をぶつけ合った。
「あ……はい?」
 一瞬呆けたあと、間抜けな声で首を傾げた彼に、入ってきた赤い服の少年も次のリアクションに困ってしまってノブを掴んで扉を開けた姿勢のまま凍り付いた。
「勝手に入って来ないでよね」
 だが、数秒の間を置いて我に返り、咳払いをしたテンプルトンのひとことに扉を閉めてそこに凭れ掛かった少年は唇を尖らせる。
「何度もノックして、呼んだよ」
 聞こえてなかったの? と反対に問い直されてテンプルトンは困った顔をする。そういえば、そんな気もする……。
「考え事、してたから」
 少しの間無言で考え込んで、そして出した結論は結局そんなところでしかない。
「ふぅん……」
 テンプルトンよりも数歳年上のはずの少年が不思議そうな顔をしつつも、扉から背を離して机の方に歩み寄ってきた。テンプルトンもまた、視線を流して彼の姿を追いかける。
「それで、なんの用?」
「用……あぁ、そうだ!」
 興味深そうに書きかけの地図を眺めていた彼が、聞かれてぽん、と手を打った。直後、またしても視線を天井近くに向けたまま動かなくなってしまったが。
「?」
 今度はなんだろう、とその背中を見つめて次の句を待っていたテンプルトンは、
「…………なんだっけ?」
 彼が振り返って自分に向かって聞いてきた瞬間、ずべっ、と机の上に倒れ込んだ。
「君はー! それでも同盟軍のリーダーなのか!?」
 机に鼻をぶつけて赤くしたテンプルトンが、がばっと起きあがって叫ぶ。一方、言われた方の少年は照れたように苦笑を浮かべるのみ。
 ――駄目だ、コイツ……。
 数年前、テンプルトンはこの地よりも南に位置する、今はトラン共和国と名前を変えた国の独立運動に参加していた。その時のリーダーは、少なくとも彼よりは利発で優秀だった。人身を導く手腕に優れ、彼が言ったことは必ず実現できると思わせる何かがあった。
 だが、今テンプルトンの目の前にいる人物はとてもではないが、リーダーの才覚に溢れているとは言えない。何も知らないし、自分の意見を主張しない。軍師であるシュウの立てる計画に反対も意見もせず従うだけの、まるでお飾りだ。
 もし、彼が同盟軍のリーダーに選ばれた理由が、彼の右手に宿っている“輝く盾の紋章”が、かつての英雄ゲンカクの宿していたものだから、というそれだけなのだとしたら。
 彼の意志は、関係ないのかも知れないが。
黙り込んで返事を待っているテンプルトンに、あー、ともうー、ともつかない呻り声をあげて必死に用事を思い出そうとしている同盟軍リーダーのセレン。いっそその滑稽さを笑ってやろうかと頬杖をついたまま彼を眺めていたテンプルトンだったが、机の上に広げたままの地図を見たセレンが「あ!」と先に声を上げたのでやめておいた。
「なに?」
「地図……そうだよ、テンプルトン! 外に行こう」
「は?」
 まったく脈絡の感じられない彼の台詞に間の抜けた事この上ない顔をして見返したテンプルトンは、傍に駆けてきたセレンを見上げる。
「報告は聞いてるよね、昨日……白狼軍が焼いた村のこと」
 椅子に腰掛けたままのテンプルトンの横に立ち、セレンは僅かに表情を翳らせて言う。無論だ、と頷いた彼に、セレンは自分の腕を握りしめると刹那の逡巡の後にこう言った。
「生き残った村人の救出作業と、偵察を兼ねて……一軍を派遣する事が決まったんだ。君もどうかと思って」
 初めの頃の元気さが失われた控えめな、言って良いのだろうかと悩んでいるような口振りにおや? と首を傾げてテンプルトンは彼を真っ直ぐに見上げた。表情の変化からその心内を探ろうとするが、単純に悲しんでいるとも悔しがっているとも、困っているとも判断出来なかった。
 けれど、偵察部隊に混ぜてもらえるのは願ってもないことだった。村の周辺の被害情報は逐一入ってくるものの、矢張り自分の足で訪れて、自分の目で確かめたものの方がよっぽど信頼性に長ける。
「……それは是非、参加させてもらうよ」
 見返したまま告げた言葉の直後、テンプルトンはあることに気づいた。
 セレンは「君も」と言った。「君は」ではない。それに、用事を思い出したときの彼の口振りは一緒に行こう、という部類のものではなかったか。
「ひとつ確認させてもらうけど」
 まさか、の気持ちがテンプルトンの脳裏をよぎる。だって、彼はリーダーだ、この設立間もない同盟軍の、要であり柱の人物だ。
 それを、たかが焼き討ちされた村の救助活動と周辺偵察に行くなんて。
「なに?」
 テンプルトンが考えている事などまったく予想もしないで無邪気に尋ねてくるセレンは、リーダーの自覚など感じさせない少年の顔だった。
「……君も行くのかい?」
「そうだよ?」
 即答。しかもその上、どうしてそんなことを聞くの? と言わんばかりの顔を向けてくる始末。
「どうして」
 シュウは反対しなかったのだろうか。再び痛み出したこめかみを押さえ込んだテンプルトンは、セレンが偵察部隊に参加したい、という言葉を聞いたときのシュウの顔を想像して心底気の毒に思った。
「だって、同盟軍は今人手不足だしさ。ボクは……あんまり仕事がないし」
 セレンが言いたいことは解らなくもない。確かに、同盟軍は拠点を手に入れはしたものの未だ協力者は少なく財政面も苦しい立場に置かれている。傭兵を雇う金もないから、戦力はビクトールが集めてきた連中やサウスウィンドゥ軍の生き残り、そして少し前までは農具を片手に田畑を耕していたにわか兵士の寄せ集め。
 新同盟軍を名に掲げている以上、ハイランド軍の暴虐で犠牲になっている村々を無視することは出来ない。こういった小さな手助けから、後々大きな援助を導き出すことも可能なのだ。
 ラストエデン軍の基盤は未だ脆い。
 柱が一本でも失われたら、呆気なく瓦解するだろうことは、楽に想像がつく。
「だからって、リーダー自らが行かなくても良いだろう」
 周辺にはまだハイランド軍がうろうろしているかも知れない場所に、自分から飛び込んでいくなんて。危険極まりない行為を、あの錬成沈着かつ、利益優先の軍師がよく許したものだ。
「そんなの、関係ないよ」
 むすっとした声で言い返し、不満気な表情を作り出したセレンがひとつ足を踏みならした。
「ボクが決めたんだ、行くって。人では多い方が良いに決まってる」
 本当にリーダーの自覚皆無、なセレンの我が儘とも言える主張に肩を竦め、テンプルトンは椅子を引いた。立ち上がるために机に手を置き、広がられたままの地図を見つめる。
 様々に書き込まれた略図。町、森、道、そして……国境。
 地図上に書かれていながら、実際の大地には存在しないもの。白線を引かれ、こちらとあちらでは世界が変わってしまう国境というもの。
 戦争が始まって、一番地図で変わってしまい、そして今も確実に変わり続けている国境の白線。
 それを地図に書き込んでいるのは、他でもない自分自身だとテンプルトンは理解している。
「軍師殿は了解してくれてるの?」
「フリックさんが一緒だから」
「あぁ……」
 トラン共和国独立の立て役者のひとりである彼が一緒ならば、余程でなければ大丈夫だろうとシュウは判断したのだろうか。それとも、思いのほか融通の利かなかったこのリーダーに折れたのか。
「それにね」
 立ち上がり、地図を丸めて片付けようとしたテンプルトンの背中に、セレンが呟く声が聞こえた。
「ボクは知りたいんだ」
 振り返ったテンプルトンは、自分を見ていないセレンを見つける。彼は窓の方、遠くを見据えていた。
「知りたいって、なにを」
 地図を壁のケースに立てかけてテンプルトンはゆっくりと身体ごとセレンに向き直った。彼もまた、問いかけに気づいてテンプルトンに微笑みかける。
 それは、年頃の少年のものでも、ラストエデン軍を率いるリーダーとしてのものでもない、寂しそうで哀しそうな、微笑だった。
「世界を」
 それだけを告げ、セレンは踵を返す。
「出発は今から2時間後なんだ、あんまり時間は無いけど……ごめんね、邪魔して」
「それは構わないけれど……」
 出発時間が予想以上に早い事に驚くより先に、テンプルトンはセレンのこの笑顔が気になった。
 彼は知っている、こんな風にしか笑わなかった人物を。
 人前では毅然とした態度を崩さなかった青年だったけれど、ひとりきりになった途端彼は今にも泣きそうな顔をしていた。いつも、彼は見えないところで苦しみ悲しんでいたに違いない。
 複雑な気持ちを覚える。
 去っていく背中を見送り、テンプルトンは木目が鮮やかな机に視線を落として溜息をついた。

 焼け野原、崩れ落ちた家屋、踏み荒らされた畑。
 焚き火の煙が空に白の線を描いて上っていく。小さな炎の回りで人々は暖をとり、僅かに残った食料を分け合っていた。
 救援物資を届け配り終え、汗を拭いたテンプルトンは廃材を寄せ集めてなんとか風雨を避ける為の小屋を造っている一団に眼を向ける。レイクウィンドゥ城から派遣されてきた兵士達のうち、フリックの率いる約半数は村の近辺警護に向かった。残りの半数は、けが人の手当や家屋復旧に汗を流している。
 そのメンバーの中にさっきまで加わっていたセレンの姿が、今は見当たらなくて首を捻る。
「何処行ったんだろ」
 ぽつりと呟き、テンプルトンは木材を運んでいた男に近付いた。
「セレンは?」
「リーダーでしたら、足りない工具を取りに行かれましたよ」
 工具類もすべて、レイクウィンドゥ城から持ち込んだものだ。数に限りがあるからあちこちで使い回すしかなく、向こうで使っていたものが必要になったら誰かが取りに行くしかない。
「そう……」
 だったら、こことは反対側に行ったのだろう。あちこちで聞こえてくる槌の音を聞きながらテンプルトンは、おおよその位置を検討つけて歩き出した。
 聞きたいことがあった。
 セレンの言っていた“世界”とは、こんな焼け野原にされてしまった場所のことなのかそれとも、もっと広く果てしないテンプルトンが見続けている“世界”の事なのかどうか。
 テンプルトンの目の前に広がる光景は、決して綺麗とは言えない。復旧作業も材料が足りなくてなかなか上手く行かないでいる、人々はいつまた白狼軍が襲ってくるか知れない恐怖に怯えながら片寄せあって生きていかなければならない。
 それが戦争のもたらす現状だ。
「…………あ……」
 表面が高熱で炙られて焦げ、豊かに茂っていたはずの枝も一枚の葉を残すことなく炭になってしまっている、恐らく村のシンボルだったのだろう古木の足下に。
 探していた人物を見つけ、テンプルトンは歩みを止めた。ふたりの距離は約十歩分、彼は背中を向けたままでテンプルトンの接近に気づいていないと、思われたが。
「ボクはね」
 こぼれ落ちた囁きは、風に乗ってテンプルトンに運ばれる。
「ずっと知りたいと思っていた」
 懐かしい故郷へ帰る日の前夜、突如降りかかった悪夢。死にたくなかったから、逃げ出して故郷の町に帰ることだけを夢見た。助けてくれた人たちを裏切ってまでも、昔に戻れるのならそれも許した。
 けれど、気がつけば自分はまた戦場に戻ってきている。
 故郷を裏切った形で、故郷に弓引く一団を率いている。
 何故、と。
 自問する夜が続いて、答えは今も見付からない。
「リューベの村、トトの村……ボクはこの村のように白狼軍に襲われた村をいくつも見てきた」
 その度に思っていたことがある。
 戦場に立ち、敵を前にする度に思うことがあった。
 何故、争うのだろう。どうして闘いが起こるのだろう。
「それは……」
 答えられず、テンプルトンは足下に視線を落とした。これがビクトールだったりフリックであれば、なにか気の利いた台詞のひとつも言えるのだろうけれど、テンプルトンはまだ子供で、了見の幅が大きく違いすぎる。
 そしてそれは、セレンも同じこと。
 どうして、何故が先に立つ。そこに囚われてしまうとなかなか抜け出せず、迷い道を見失いがちになる。
 だから旅立つとき、シュウはセレンにこう言った、考えるな、と。
 けれど考えてしまう、悩んでしまう。こうして生きていることの意味、争いが無くならない現実と死んでしまった人たちを悼む慟哭の声。
 セレンは、本当はユニコーン部隊が全滅したあの夜、死んでいたはずだ。それが今もこうして生きている。生き残ってしまった、沢山の友を失っても尚、生き続けている。その上、今ではもうひとりの生き残りである親友も傍にいない。ここでこうして、同盟軍を率いる存在として生きる理由など、本当はないのかもしれない。
 ハイランドの猛攻は止まらないし、それをくい止めようとする各都市の力は協調性を欠いて無力だ。対抗するために立ち上がったラストエデン軍の力も、白狼軍とは比べものにならないほど脆弱。それでも人は抗う事をやめない。
 どうしてだろう、涙が出てくるのは。
「見てよ、この木」
 焼けこげ、朽ち果てたようにただ立っているだけの古木に表面に触れ、炭になった幹の表面を手で擦る。
「こんな風になっても……まだ生きてるんだ」
 すべての葉を失っても、枝が焼かれてボロボロになっても、表面が炭に覆い尽くされても。猛火の中でなお、この古木は懸命に生きることを諦めなかった。
 村人も同じだ。多くを失いはしたが、彼らは生きることを自らの手で放棄していない。兵士達に混じって働けるものは斧を、鋸を持って立ち、汗を流しながら少しでもかつて野村の姿を取り戻そうと頑張っている。
「思うんだ、最近」
 そっと古木の幹に顔が汚れることも構わず頬を寄せ、セレンは静かに目を閉じた。
「何を」
 一歩、彼の方へ歩み寄ってテンプルトンが尋ねる。目を開けた彼は木に凭れ掛かったまま彼に振り向き、微笑んだ。
 それは、先日テンプルトンが自分の仕事部屋で見た笑顔とはまるで同じようで違う、優しさと決意に満ちた微笑だった。
「争いが起きるのは、国境があるからなんじゃないかって」
 この世界は広い、何処までも広く続いている。山があれば谷もあり、森があって平野があり、海と湖、川が流れて起伏に富んだ様々な顔を持っている。
 そこに境目など無い、大地はひと繋ぎで広がっている。それを区切っているのは他でもない人間だけ。
「え……」
 目を見張り、テンプルトンはセレンを見返した。
「だから、……夢話だって言うかも知れないけど、そうなれば良いなって思うんだ。いつかこの世界から国境が消える日が来るって」
 それは本当に絵空事でしかない夢物語かもしれない。けれど国境という見えない線が人の心にも同じように線を作ってしまっていることは、紛れもない事実だ。
 人の心にある垣根が、国境という見えない壁を生み出している。それもまた、変えようのない真実。
「前にシュウに行ったらさ、怒られちゃった。もっと真面目に物事を考えろって」
 セレンにしてみれば、本気の言葉だったのだろう。けれど現実を知っている分、シュウはそれがどれだけ実現不可能で困難なことか考えなくても理解できてしまった。セレンだって、本当は気づいているはずだ、自分の言葉の荒唐無稽さに。
 でも、それはとても大事なことではないだろうか。
「僕は……笑わないよ」
 今回ほど、新しいリーダーはバカなのだとはっきりと認識した事はない。
 くしゃり、と髪を握って胸の奥からわき上がってくる笑いたくて泣きたい気持ちを抑えながら、テンプルトンは更に歩を進めてセレンの傍にまで近付いた。
「だって、僕が先に……君の夢を実現してみせるからさ」
 黒こげになりながら、それでも生きている古木に同じように手を振れ、テンプルトンは眩しく光を降り注ぐ太陽を見上げた。
「僕の書く地図から、国境を消してしまうから」
 そうだ、本当はそんなもの必要ない。この広い世界を見渡してみればいい、国境なんて言う白線は何処に引かれているというの?
「……ありがとう」
 一瞬テンプルトンの言葉を理解しきれず目を丸く見開いて驚いていたセレンも、すぐに彼の台詞の優しさを知って嬉しそうに笑った。

何処までも続く地平線を見て
この世界の広さを知った
何処までも青い空を見上げて
この世界の優しさに気づいた
何処までも無限の海を見据えて
この世界の暖かさを思い出した
そして
人間の小ささを痛感した
この大地をどうやって区切るというのだろう
この世界をどうやって分かつというのだろう
ずっと忘れていたことをようやく思い出した
そうだ、僕は世界を見てみたかったんだ
地図を作るために世界を巡るのではなくて
世界をもっと沢山の人に見て感じて欲しいから
その為の道しるべを作りたくて
歩き続けてきたんだった
そこに国境線は必要ない
ただ果てのない夢があればいい
諦めない夢があれば、それでいい